魔法力の強さ | マップ表示 | 人間の様子 | 魔法の様子 |
レベル1領域 | 青 | 人が住める。物理法則が通用する。 | 魔法は時間経過で解ける。魔法は自然発生しない。 |
レベル2領域 | 緑 | 人間が長居すると、精神に異常をきたす。 | 小さな魔法が生まれては解け、解けては生まれる不思議な空間。 |
レベル3領域 | 黄 | 魔法に免疫のない生物が長居すると、魔法生物に変異していく。 | 魔法現象に法則性が生まれ、独自の生態系を築いている。 |
レベル4領域 | 橙 | 魔法に免疫のない生物が無策で踏み入ると、短時間で魔法現象と同化する。 | 激烈な魔法現象が発生し、強大な魔法生物が巣食う。 |
レベル5領域 | 赤 | 迂闊に入れば、何が起こるか分からない。 | 空間異常が頻発する、全くの異世界。その様子は場所により大きく異なる。 |
退屈そうな顔をしてるな……わかったわかった、もう一つ、見せてやろう。ほら、さっきの地図を元に、当時の魔法力分布を復元した資料だ。
自然状態で世界を満たす魔法力、その出所は亜空間だ。
亜空間―――世界を分断する空間の歪み。異界。断絶の暗闇。
ここから流れ出る魔法力が世界を満たして、魔法現象の元となる。
人間は、魔法力が強い土地には住みにくいからな。町のほとんどは、レベル1領域に作られている。
ん?青いところだ、青いところ。そう。
プランタンは、真ん中だけレベル1だ。市街地は魔法力が薄い。町を魔法樹が囲んでいるから、外周はレベル4領域だな。
今じゃ、レベル3以上の魔法力場は特定のエネルギーダムにしか無いだろうが、当時はあちこちにそういう土地があった。
レベル2領域、こういう緑のところは比較的ましだが、それでも、ぼんやりしていると妙な魔法現象に引っかかる。
旅をするにも命がけさ。「魔法避けの魔法」が必須でね、一日に何件も依頼が来ていたな。
黄色や橙のあたりは魔法生物も多くて、遊びに行くと愉快なところだ。妖精や精霊の類は、レベル3か4くらいがちょうどいいんでね。
俺もよく遊びに行ったものだが、人間が迂闊に入るとあっという間に遭難する。迷子を探しに、妖精たちで捜索隊を組んだこともあった。
さて、この、赤いところがあるだろ。レベル5領域だ。ここは正直、俺もあまり行かなかったよ。危険極まりない魔法嵐が、いつでも吹き荒れているんだからな。
だからこそ、と目をつけて、町を作った連中もいたそうだが……数十年で、異界の狭間に消えていったようだ。
ま、住むならプランタンにしておけよ。
今も昔も、いい町だ。