最終更新: cyclic_f649 2018年11月26日(月) 23:02:20履歴
暖炉の光を浴びて彼は語る、懐かしき平穏のアルズガルムを。
★【旅先】表〜プランタン近郊
君、古い地図は好きか?
俺はけっこう好きでね、特に暁時代の地図を見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまうよ。
まあ、細かいところは、あまり正確じゃないな。ラムペリエスは実際もっと北だった。しかし、だいたいの位置関係はこんなものだ。
暁時代は、訳の分からない魔法現象が多くてね。
プランタンからアルマドニヤに行こうと思うと妙な遺跡の横を通らないといけなかったし、調子に乗って遠出すると、危険な魔法生物と出くわすし。
あ、実感の湧かない顔をしているな。
確かに今となっては、レジスタンスの方がよほど危険だけどな。昔は違ったんだぞ。俺だって、初代ペトラの護衛で忙しくてね。留守番の機会なんて、滅多になかった。
籠に繋がれることもなく、自由に町を歩き回って、いつでもペトラの隣にいたんだぜ。
はは、極光の時代に生まれた君には、想像もできないか?確かに昔のことだけどな。妖精と人間の仲も良くて、良い時代だったよ。
退屈そうな顔をしてるな……わかったわかった、もう一つ、見せてやろう。ほら、さっきの地図を元に、当時の魔法力分布を復元した資料だ。
自然状態で世界を満たす魔法力、その出所は亜空間だ。
亜空間―――世界を分断する空間の歪み。異界。断絶の暗闇。
ここから流れ出る魔法力が世界を満たして、魔法現象の元となる。
人間は、魔法力が強い土地には住みにくいからな。町のほとんどは、レベル1領域に作られている。
ん?青いところだ、青いところ。そう。
プランタンは、真ん中だけレベル1だ。市街地は魔法力が薄い。町を魔法樹が囲んでいるから、外周はレベル4領域だな。
今じゃ、レベル3以上の魔法力場は特定のエネルギーダムにしか無いだろうが、当時はあちこちにそういう土地があった。
レベル2領域、こういう緑のところは比較的ましだが、それでも、ぼんやりしていると妙な魔法現象に引っかかる。
旅をするにも命がけさ。「魔法避けの魔法」が必須でね、一日に何件も依頼が来ていたな。
黄色や橙のあたりは魔法生物も多くて、遊びに行くと愉快なところだ。妖精や精霊の類は、レベル3か4くらいがちょうどいいんでね。
俺もよく遊びに行ったものだが、人間が迂闊に入るとあっという間に遭難する。迷子を探しに、妖精たちで捜索隊を組んだこともあった。
さて、この、赤いところがあるだろ。レベル5領域だ。ここは正直、俺もあまり行かなかったよ。危険極まりない魔法嵐が、いつでも吹き荒れているんだからな。
だからこそ、と目をつけて、町を作った連中もいたそうだが……数十年で、異界の狭間に消えていったようだ。
ま、住むならプランタンにしておけよ。
今も昔も、いい町だ。
★【旅先】表〜プランタン近郊
1 | 【はじまりの町プランタン】 |
2 | 【天空の町 ベントフォルト】 |
3 | 【幻想の谷 イ・コルトル】 |
4 | 【境界の暗黒街レライエ】 |
5 | 【迷宮都市ベッカ】 |
6 | 【学術都市グライツェン】 |
7 | 【港町ポルト・ウアリア】 |
8 | 【星明りの町ラムペリエス】 |
9 | 【狂騒の歓楽街アルマドニヤ】 |
10 | 【幽玄の廃駅メルゲン】 |
君、古い地図は好きか?
俺はけっこう好きでね、特に暁時代の地図を見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまうよ。
まあ、細かいところは、あまり正確じゃないな。ラムペリエスは実際もっと北だった。しかし、だいたいの位置関係はこんなものだ。
暁時代は、訳の分からない魔法現象が多くてね。
プランタンからアルマドニヤに行こうと思うと妙な遺跡の横を通らないといけなかったし、調子に乗って遠出すると、危険な魔法生物と出くわすし。
あ、実感の湧かない顔をしているな。
確かに今となっては、レジスタンスの方がよほど危険だけどな。昔は違ったんだぞ。俺だって、初代ペトラの護衛で忙しくてね。留守番の機会なんて、滅多になかった。
籠に繋がれることもなく、自由に町を歩き回って、いつでもペトラの隣にいたんだぜ。
はは、極光の時代に生まれた君には、想像もできないか?確かに昔のことだけどな。妖精と人間の仲も良くて、良い時代だったよ。
魔法力の強さ | マップ表示 | 人間の様子 | 魔法の様子 |
レベル1領域 | 青 | 人が住める。物理法則が通用する。 | 魔法は時間経過で解ける。魔法は自然発生しない。 |
レベル2領域 | 緑 | 人間が長居すると、精神に異常をきたす。 | 小さな魔法が生まれては解け、解けては生まれる不思議な空間。 |
レベル3領域 | 黄 | 魔法に免疫のない生物が長居すると、魔法生物に変異していく。 | 魔法現象に法則性が生まれ、独自の生態系を築いている。 |
レベル4領域 | 橙 | 魔法に免疫のない生物が無策で踏み入ると、短時間で魔法現象と同化する。 | 激烈な魔法現象が発生し、強大な魔法生物が巣食う。 |
レベル5領域 | 赤 | 迂闊に入れば、何が起こるか分からない。 | 空間異常が頻発する、全くの異世界。その様子は場所により大きく異なる。 |
退屈そうな顔をしてるな……わかったわかった、もう一つ、見せてやろう。ほら、さっきの地図を元に、当時の魔法力分布を復元した資料だ。
自然状態で世界を満たす魔法力、その出所は亜空間だ。
亜空間―――世界を分断する空間の歪み。異界。断絶の暗闇。
ここから流れ出る魔法力が世界を満たして、魔法現象の元となる。
人間は、魔法力が強い土地には住みにくいからな。町のほとんどは、レベル1領域に作られている。
ん?青いところだ、青いところ。そう。
プランタンは、真ん中だけレベル1だ。市街地は魔法力が薄い。町を魔法樹が囲んでいるから、外周はレベル4領域だな。
今じゃ、レベル3以上の魔法力場は特定のエネルギーダムにしか無いだろうが、当時はあちこちにそういう土地があった。
レベル2領域、こういう緑のところは比較的ましだが、それでも、ぼんやりしていると妙な魔法現象に引っかかる。
旅をするにも命がけさ。「魔法避けの魔法」が必須でね、一日に何件も依頼が来ていたな。
黄色や橙のあたりは魔法生物も多くて、遊びに行くと愉快なところだ。妖精や精霊の類は、レベル3か4くらいがちょうどいいんでね。
俺もよく遊びに行ったものだが、人間が迂闊に入るとあっという間に遭難する。迷子を探しに、妖精たちで捜索隊を組んだこともあった。
さて、この、赤いところがあるだろ。レベル5領域だ。ここは正直、俺もあまり行かなかったよ。危険極まりない魔法嵐が、いつでも吹き荒れているんだからな。
だからこそ、と目をつけて、町を作った連中もいたそうだが……数十年で、異界の狭間に消えていったようだ。
ま、住むならプランタンにしておけよ。
今も昔も、いい町だ。
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