TRPG「魔法使いと工房と庭」のルールブックwiki。魔法使いとなって自分の工房と庭を構え、依頼をこなして成長していくゲーム。

シナリオ概要

このシナリオでは、ハロウィン前に増えすぎたお化けカボチャを駆除するため、魔法の品をPCたちに作成してもらいます。
セッションの最後には、納品された品を用いてカボチャ狩りが開催され、PCもRPで参加できます。

PC人数は2〜3人いた方が楽しいかと思われますが、ソロプレイでも特段の問題はありません。

本ページは「すぐに使えるシナリオテキスト」を主旨として、コピー&ペースト可能なテキスト集として書いています。
細かい部分は、お好みで自由にアレンジしてお使いください。

シナリオの舞台・設定について

本シナリオは「旅の魔法使い集団が、旅の移動の途中で依頼を受ける」という物語のため、やや変則的なシナリオです。
通常ではどこかの町がシナリオの舞台になりますが、このシナリオの舞台はどこの町でもありません。
また、グランマが直接的に登場しません。

  • カボチャ畑(本当はただの群生地)
「プランタン北の田園地帯」、一見すると無人の、真夜中のカボチャ畑がセッションの舞台です。
PCたちは持ち運びできる工房・庭を持っていますので、その場で各々の工房や庭へ入っていって採集や精錬を行います。

  • グランマの代行者
このシナリオでは、周辺一帯を取り仕切るグランマが、協定を結んだケット・シー族のボスたちに権限を委譲しています。
依頼人でありグランマの代行者であるNPC、ケット・シーのメイプルが登場し、依頼から納品までを取り仕切ることになります。

  • 「プランタン北」とは(参考)
地理情報として出てくる「プランタン」とは、「はじまりの町プランタン」、ソロプレイ用ルール「旅の魔法使い」で設定されている「旅先」の一つです。
雰囲気を出すためのフレーバーテキストですので、好きな地名に変えたり、違った言い方にしても構いません。

【 はじまりの町プランタン 】(移動必要額150G)
大樹に囲まれた窪地の中心にある賑やかな町。狭い路地裏を各種魔法具の専門店が埋め尽くし、揃わないものはないと言われる。
鋭い目をした穏やかな老婦人、グランマ・ペトラが魔法使いたちを取りまとめている。

  • プランタンの経済レベル(参考)
旅をする場合、町を出るのに必要な資金は「滞在にかかる費用、移動にかかる交通費」を念頭に置いて設定されています。
プランタンの場合は150Gであり、他と比べて高くもなく安くもなく、経済レベルとしては普通の町です。

物語の導入

物語の始まり


自由と魔法の世界アルズガルム。
あなたがたは、アルズガルムを気ままに旅する魔法使いキャラバン「踊る仔馬隊」の一員です。

行く先々で依頼を受けつつ、町から町へ、気の向くままに!自由を謳歌する暮らしを楽しんでいます。

(モブNPC)「次は海に行きたいな!」
(モブNPC)「えー浮島で渡り鳥の羽を買いたいよ〜」
(モブNPC)「待て待て、川向うで仕事してからじゃないと」

隊員の入れ替わりも激しいようですが、その賑やかさが変わることはありません。
気さくな人柄のワズワース隊長を中心にして、仲良く笑い交わしながら旅を続けていることでしょう。

さて、今晩の「踊る仔馬隊」は、月夜の荒野を駆け抜けて、プランタン北の田園地帯へと差し掛かるところ。
グリフィンが引く幌馬車を先頭にして、多種多様な乗り物に乗る魔法使いたちが、わいわい騒ぎながら続いていきます。

ワズワース隊長「全体、止まれー!」
一行は真夜中のかぼちゃ畑の真ん中へと突っ込むと、隊長の合図で一斉に止まります。

ワズワース隊長 「今年も来ましたよ、メイプルさん!」
隊長のワズワースが馬車を降りて呼ばわると、草葉の陰からガサリと音がします。

三毛猫 メイプル「よく来たにゃ。今年の担当は誰なのにゃ?」
かぼちゃ畑の真っ只中から、小柄なケット・シーが飛び出てきました。

ワズワース隊長 「今年は新人3名です。おいで!」
解説
シナリオの舞台となる地点、「踊る仔馬隊」の雰囲気を示す描写、依頼者のNPCの描写を行い、魔法使いたちが隊長のもとに集まったら、依頼パートを開始します。
導入の描写を終えたら「 隊長のもとへ魔法使いたちが集まったら依頼パートを開始します。 自由にご参加ください!」の一言があると、PLが入ってきやすいでしょう。

PCたちが加わる「踊る仔馬隊」の雰囲気は、できれば描写しておいた方がPLがRPしやすくなるでしょう。
ただし、序盤はGMのテキスト量が多くなりがちなので、無理に入れる必要はありません。

シナリオで想定しているワズワース隊長の人柄は、「大胆な気質ながら良識ある、面倒見のいい青年リーダー」です。
また、NPCのケット・シー、メイプルの想定は「サバサバした猫っぽい猫/実は三毛猫ケット・シー族(ミケット族)の族長」です。
メイプルは猫らしい性格ですが、依頼人でありグランマ代行者ですので、それなりの社会性ある態度をとります。

依頼パート

依頼品の指定


三毛猫 メイプル「さて、初めてのやつらはここのことを畑だと思うだろうにゃ。」
三毛猫 メイプル 「実はこれ、野良のオバケかぼちゃが群生してるだけなのにゃ。」

ケット・シーが、畑……いえ、群生地を振り返って、おもむろに話し始めます。

三毛猫 メイプル 「ハロウィン前の繁殖期、このまま放っておくとツルをぶっちぎって、プランタンの町まで飛んでいくにゃ。」
三毛猫 メイプル 「色々まずいんにゃけど、何より、通行人の頭に当たるとやばいにゃ。死にかけるにゃ。」

言っているそばから、足元のかぼちゃがケタケタ笑い声を立てます。今年も順調に育っているようです……

三毛猫メイプル 「だから毎年このへんに住むケット・シーが協力して駆除するんにゃけど、さすがに手作業はめんどいにゃん。」

ワズワース隊長「俺たちは毎年秋に、この辺を通るからな。いつも、駆除のための依頼を受けてるのさ。」
解説
新人であるPCたちは知りませんが、「踊る仔馬隊」は例年ここで同じ依頼を受けています。
経歴の長いワズワース隊長は幾度となくケット・シーたちと接触して依頼を受けていますので、顔なじみの態度を取りましょう。

GMは以下の表から任意の品を選んで、依頼品として提示してください。
初心者PLが相手の場合、各PCの実力が発揮しやすい=精錬設備でプラス補正を得られるものを提示すると良いでしょう。
特に考えないで提示してもそれほど大きなデメリットはありませんが、依頼をする側としては、得意な人に頼む方が自然です。
種別依頼の品支給品
魔法具かたーいかぼちゃを一刀両断できる【カチ割り鉈】古ぼけた鉈
魔法具飛び立つカボチャを抑え込む【ふわっと捕獲網】妙に磯臭い地引網
使い魔狩りで追い込み役をやってくれる【ふくろう】野生のふくろう1羽
霊薬オバケかぼちゃと同じ匂いになれる【擬態の香水】新月の日の夜露を集めた小瓶
霊薬飲むとアドレナリン全開になる【爆裂不眠薬】機嫌の悪いジョロキアの搾り汁を集めて入れたタッパー

なお、畑でなく群生地としているのは、最終的に食べ物(らしきもの)を粗末に叩き割る描写が入るためです。
このシナリオで行うのは、収穫ではなく駆除というスタンスです。

支給品の提示


三毛猫メイプル「去年作ってもらった道具はまだ使えるにゃ。傷んできたやつを新調したいにゃ。」


(支給品の提示)


三毛猫メイプル「にゃ。きまったかにゃ。決まったら、さっさと行くにゃ。誰のとこから行くのにゃ?」
メイプルが大あくびをして毛づくろいし始めます。

ワズワース隊長「メイプルさん、今年も見物、おっと見守ってくれるんですね」
三毛猫メイプル「あ、見といてやるにゃ。」
解説
メイプルからPCたちに支給品を渡し、同行するNPCを示しましょう。
メイプル、またはワズワース隊長がPCたちの工房や庭についていき、RPで場に参加します。

基本的にはメイプルの同行をお勧めしますが、ワズワース隊長を連れて行っても構いません。
いずれにしても、「これも君たちの修行のためだ」 「気が乗らにゃいにゃん」 など、手伝いを上手に断る文句を用意しておきましょう。

  • 同行NPCの役割
NPCの同行は、GMも楽しくゲームに参加するためというのが一番ですが、 採集〜精錬パートでGMがゲーム進行を補助するためでもあります。
ゲームの中でうまく参加できていないPCにRPで絡んだり、PC同士がぶつかった場合に間に入るなど、ゲームの進行を助けると良いでしょう。

  • 同行NPCは、手伝い判定には基本的に参加しない
手伝い判定の数が多くなると、ゲームのバランスが簡単になるためです。
PL3人の場合は、NPCが手伝うと過剰です。
PL人数が1人の場合は、NPCが手伝い判定をしてもいいでしょう。

  • 依頼する道具の数
無数のカボチャが飛び交い、それを叩き割ったり落としたりするエンディングの風景からすると、3つ程度の依頼品しか出てこないのは、やや不自然に思えるかもしれません。
これについては「毎年少しずつ依頼しているので、古くなった分だけ新調する」という設定で解決を図っています。

移動中

別のPCのパートへと移行する間の描写です。
基本的には1人目のPCのパートが終了したら、いったん畑に戻ってから別のPCの工房へと入っていきます。
その部分の描写で、セッション中の時間の経過を表現します。

1人目終了時

ワズワース隊長「おっおかえり。順調か?」
飛び出しそうなカボチャを踏みつけつつ、隊長がさわやかに笑ってくれます

三毛猫メイプル「まあまあってとこにゃんね。ニャーが戻るまでそうやって抑えとけにゃ」

ワズワース隊長「はは、了解了解。おう、残りも頑張って来いよ」
ドスンと踵を振り下ろす隊長の背後で、他の隊員が飛び出たカボチャを叩き落しています。
解説
無数のカボチャが空に勢いよく飛び交うのが、最終的な風景です。
1回目はお化けカボチャが徐々に本領を発揮していく=飛び立とうとする様子を描写します。
PCが望むなら、一個や二個のカボチャを殴らせても構いません。

2人目終了時

皆さんがカボチャの群生地に戻ると、既にいくつものカボチャがケタケタと笑いだしています。
そろそろ、かなりの圧を感じることでしょう。

ケタケタ!ケタケタ!と、飛び出そうとして、 「踊る仔馬隊」の居残り組に ぐっ と踏まれる。

ワズワース隊長「ちょっとギリギリだったかもなー。アルマドニヤでゆっくりしすぎたか。」
さして気にしている風でもなく、隊長が快活に笑います。

三毛猫メイプル「まったくだにゃ…」
メイプルが不機嫌に呟くと、体重の入った重たいネコパンチをカボチャにお見舞いします。
解説
2回目も、いよいよ飛び出しそうなカボチャの様子、それを押さえつけたり、落としたりする「踊る仔馬隊」の様子を描写します。
モブのケット・シーを少々登場させても構いませんが、最後の爆発感を失わないように控えめにしておきましょう。

なお、隊長のセリフに登場する「アルマドニヤ」とは、「 狂騒の歓楽街アルマドニヤ 」、ソロプレイ用ルール「旅の魔法使い」で設定されている「旅先」の一つです。
日々、依頼を受けつつも遊びながら楽しんで過ごす「踊る仔馬隊」の雰囲気を出すためのフレーバーですので、好きな地名に変えたり、違った言い方にしても構いません。

【 狂騒の歓楽街アルマドニヤ 】 移動必要額90G
世界中の娯楽が集まってくるアルズガルム最大の歓楽街。屋台や商店が雑然と並び、24時間いつでも喧騒に包まれている。
元オペラ歌手の女性、グランマ・マリアンナが旅人への依頼を取りまとめる。

納品パート

最後のPCのパートから戻ると、その場ですぐに納品パートとなります。

納品


ワズワース隊長「おう!終わったか」
両手で一個ずつカボチャを抑えている隊長、その後ろでは既に何匹かのケット・シーが鉈を使って飛来するカボチャを割っています。

ケタケタケタ! ケタケタケタ!

三毛猫メイプル「……始まってるにゃ。さくっと行くにゃんよ。納品のチェックをするにゃ」
三毛猫メイプル「グランマ・トワレに代わって、ミケット族のボス、メイプルが納品の確認をするにゃ。」


(PCは納品のRP,品質の申告、GMは報酬の付与を行う)


三毛猫メイプル「三人、しっかり精進するにゃ。さて、納品完了……カボチャ狩りのはじまりにゃ!!!」
解説
既に始まりつつあるカボチャ狩りを背景に、手早く納品を行います。
メイプルはグランマの代行として、禁術の使用があった場合は十分に見抜く目を持っています。
この時ばかりは重々しい風格を出してみるのもいいでしょう。

パンプキンハント


メイプルは受け取った品をケット・シーたちへ渡し、自らも鉈をもってカボチャ畑へ乗り込んでいきます。

三毛猫メイプル「にゃーーーーーお!!」

猫の鳴き声が一斉に響き渡り、「踊る仔馬隊」の隊員たちがカボチャを放ち始めます。

ワズワース隊長「ふー。お疲れ様。それじゃあ後は、かぼちゃ狩りでも見物していこうか!」
ワズワース隊長「気が向くなら、適当に割っちゃっていいぞ」

ツルを切って飛び立つものは【ふくろう】に追い落とされ、【擬態の香水】で匂いを消して忍び寄るケット族の餌食に。
飛び掛かるケット・シーをかいくぐって空へ逃れたカボチャもいますが、打ち上げられた【ふわっと捕獲網】が行く手を塞ぎます。

縦横無尽に振り回される【カチ割り鉈】、木っ端微塵のオバケかぼちゃ!大騒ぎのネコたち!

ハロウィンの前哨戦にしては少々荒っぽいですが、これもひとつの祭りと言えましょう。
解説
フィナーレとして、依頼品を使ったカボチャ狩りの様子を派手に描写しましょう。
「踊る仔馬隊」のPC以外の隊員を登場させてもいいですし、三毛猫、黒猫、鯖トラやキジトラなど色々なケット・シーを勢ぞろいさせてみるのも楽しいでしょう。

終幕

興が乗った踊る仔馬隊の面々も参加して、てんやわんやの大騒ぎは朝が来るまで続きます。

(モブNPC)「よっしゃ!派手に行くぜ!」
(モブNPC) 「ミケに賭けるか?クロに賭けるか?」

ワズワース隊長「今年もミケット族のスコアが伸びるんじゃないかな。メイプルさんがいるうちはね!」

終わった後には、かぼちゃ料理のフルコースでしょうか?
宴もたけなわですが、今夜の物語はこれでおしまい!

最後に

このシナリオでは依頼人としてケット・シー族を起用していますが、制作者の個人的な好みによる選択ですので、あまり気にしないで他のキャラクターを設定しても大丈夫です。
ワズワース隊長のキャラクターも自由に変えて構いませんが、彼の場合はPCたちの所属する「踊る仔馬隊」の雰囲気を左右しますので、その点に留意した上で改変することをお勧めします。

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